深野神楽保存会のブログ

雲南市吉田町深野なある深野神楽保存会長のブログ。昭和61年に70年前に途絶えた深野神楽を有志により復活。子ども教室の指導で後継者育成にも力を入れている。

疫病退散!

古代鉄歌謡館の公演も中止になり、深野神楽保存会が公演する予定だった、4月11日(土)夜8時頃からインターネットライブ配信をすることになりました。
しかも演目は「茅ノ輪」
スサノオから授かった茅ノ輪で、疫病を退治するお話です。

4日(土)の夜は、その内容についての話し合いをメンバーでしました。
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みんな前向きで、すぐに舞台作りを始めます。
きちんと距離をたもちながら。
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そして、「茅ノ輪」の練習をし、5日(日)は音響も加えて、タブレットで撮影しながらの練習でした。
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ここで、「茅ノ輪」の画像をまじえながら物語をお話しします。
昔、北の海におられた武塔神 (むとうのかみ) と称される神が、南の海の神の娘のところへ行かれる途中で日が暮れてしまいました。
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そこに蘇民将来と巨旦将来 (こたんしょうらい) はという二人の兄弟がいました。兄の蘇民将来は大変な貧乏だったが、弟の巨旦将来は大変金持ちで、家も蔵も百ほどもあるような富豪でした。
神は一夜の宿を弟の巨旦将来に頼まれたましたが、けちな弟は泊めることを断ったので、兄の蘇民将来のところへ行って一夜の宿を頼まれると、そこでは快く迎えました。
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しかし貧乏なので、敷物の代わりに栗殻を敷き詰めて座にし、栗飯を炊いてさしあげ手厚くもてなしました。
その時神は「私は須佐之男命である。今から後の世に疫病がはやれば、お前達は “ 蘇民将来の子孫 ” といって、茅の輪を腰につけなさい。私の言うとおりにすれば、茅の輪を腰につけた者は疫病から免れるだろう」と言われました。
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やがて疫病の神が現れ、巨旦将来を滅ぼします。
蘇民将来とその家族は、茅ノ輪のお陰で
疫病を退治し、子孫繁栄しました。
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この故事から「茅の輪 (ちのわ)」は疫病除け、悪災疫除けの霊力のある神符といわれています。

観客がいない神楽は、盛り上がらないし観客との一体感も感じられません。
それだからこそ、一日も早くお客様の前で神楽が舞えるよう、新型コロナの収束を願って「茅ノ輪」を舞わせていただきます。
どうぞご覧ください。